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早川嘉美事務所30周年に感謝(談)

 本日は3月末の年度替りの時期、何かとご多忙かと思いますのに、このように多くの方にお越しいただいて、事務所開設30周年の催しを催せますことをとても嬉しく思います。高い席からではございますが、心から感謝し厚く御礼申し上げます。
 本当に有難うございます。

 今、二男の早川光志が「新会計人として」のテーマーでご挨拶をいたしましたが、どのような話をしてくれるのだろうという心配と、一方ではよくぞここまでに成長してくれたという喜びを交差させながら、これから自分が話ししなければならないのを忘れて、ボーと聞き入っていました。内容、話し方が合格点だったのかの是非はともかくとして、30周年記念の催しでこのような場をもてることを有難いことだと、素直に喜びたいと思います。

 私が何らかのアクシデントにより、倒れたらどうしたらいいのか。まあ、アキレス腱の断裂くらいでは嬉々としてスケッチにいそしむことになろうかと思いますが、正直なところ不安がよぎることもなくはありませんでした。関与先の皆さんにご迷惑をかける、スタッフを路頭に放り出すことにもなりかねない、心配すれば切りがありません。
 なにも(光志が)早川事務所に入るわけではありません。現在、監査法人トーマツ八重洲オフィスに勤めており、どの様な展開になっていくのか。まだ白紙の状態ですが、少なくとも私が倒れたときには対処してくれることは確かですので、そういった意味では、皆さんにご安心いただけるのではないか、とホッとしているのが実感でございます。

 ところで、私どものような仕事をしていますと、皆さんの悲喜こもごも、直接触れることになります。活気に満ち、繁栄し、喜び、笑顔の多い方にしても、必ずといっていいくらいご苦労のある実態があり、厳しく、辛い現状を抱えておられるようでございます。この苦しみを乗り越え、あるいは苦しみと喜びを同時進行させながら、喜び、繁栄を築いておられるというのが、実態だと思っています。
 私ども夫婦にしても然りでございます。今日、30周年の催しを迎えて、喜色満面の一日ではありますが、辛い、悲しみがまったくない訳ではなく、これらを抱えながらも、喜びの波動を広げたいという一心の思いで取り組んでいるわけでございます。それでも時には批判にさらされることもございます。
 なにも湿った話をするつもりはありませんが、私のお伝えしたいことは、すべての人に悲しみ、苦しみ、怒りを抱えた現実があるということであり、その中でどうたくましく生きぬくか。これが我々に課せられた課題ではないのか、と思うのであります。

 虫歯の幻想という教えがあります。
 生涯虫歯にかからない人は、100人に1人だそうです。どちらを向いても虫歯、あんたも虫歯か、私も虫歯や。お前も虫歯か、わしも虫歯や。虫歯くらいしゃぁないなぁ、という訳で、虫歯のない人の方がさも「おかしい」という訳であります。
 ひどい話になると、虫歯のない奴はうまいものを食っとらんのと違うか、という始末です。まるで虫歯にかかっていないのが悪いような錯覚を与えられ、肩身の狭い思いを与えられることも少なくありません。
 虫歯のないことは、いかに少なくとも正しい、素敵な歯であるのはいうまでもありません。世の中は多数決がすべてではありません。如何に少数意見であっても正しいのは正しいのです。これを虫歯の幻想というわけです。

 今、我々の周りに生じている現象はどうでしょうか。
 「ホントに悪おすなぁ、お宅さんもですか、内もですわ」と言っていれば、波長があって会話がすすむ。「あの会社も廃業したし、あそこは時間の問題ですやろ。内も似たり寄ったりですわ」という会話が、蔓延している。
 このような中にあって、「うちはお蔭さんで儲かっています」「うちは元気よくやっています」というと嫌われかねない。
 ひどい話になると、「私は元気にやっています。いつも元気ですよ」といおうものなら、それを受けた人が「話くらい合わせておけば良いのに、いやみな奴だ」と言ってしまう始末です。
 まさに、経済界に虫歯の幻想がはびこり過ぎている。

 それではいけない、というのが、私の提唱であります。繁栄し、充実し、元気な企業はウエルカムで、歓迎しなければいけない。いかに少数であっても元気な企業は正しい活動であり、埋没して欲しくない。悪いことをしているように密かにするのではなく、「元気です」と声を大にして、叫ぶくらいにして経済界の旗振りになっていただきたい、と思うのですがいかがでしょうか。また、「もうあかん」と思っている企業は、そういった繁栄、充実の人・企業を見つけ出し、その人・企業から何かを学び、何らかの行動に移していただきたい、と思う。私の切なる願いであります。

 では、具体的にどうすれば企業は繁栄し、組織は活性化するのでしょうか。
 これに単純明快に答えられるほど生易しいものではありません。ただ言えることは、暴風雨の通り過ぎるのをひたすらガマンで待ちつづけるという姿勢は、いかにもダメであります。
 現在はひたすらガマンを続けても、かつての繁栄はこない、と断言してもいいでしょう。経済界の復興は従来と違った形でやってくると思わなくてはいけません。どういう形でくるか。これをどのように見つけるか。これこそが、先見性であり、トップ、リーダーの務めであります。
 私は少なくとも、金を出しての行動ではなく、チエ、ノウハウを駆使して行動するべし、と訴えています。そして、絶対に誘惑に負けてはいけないのは、コンプライアンス違反であります。

 今日の新聞報道にありましたが、コンタクトレンズのホヤが、強化ガラスと称しながら何らの加工をせず、普通のコンタクトレンズを売っていたというではありませんか。これが今、企業をぶっ飛ばしかねない、絶対に染めてはいけないコンプライアンス違反であります。
 金融機関との取引において、コンプライアンス違反は、即、取引停止になると思っておくことです。

 話は突然変わりますが、先日、朝日テレビの深夜番組「探偵ナイトスクープ」に出演しました。ご覧いただいた方もかなりおいでだと思いますが、私の元に「感動した」と教えを受けに来られたご夫婦もおられます。
 放映までにいたるプロセスが実に面白い。このプロセスに、これからの方向性が見えるような気がしますので紹介してみます。
 豊中市の山形さんという52歳の独身男性からの投書から始まります。

 彼、山形さんは五目並べが強い。周りでは負け知らずで、ひょっとしたら自分は天才ではないか、と思っている。普通なら、それほど強いと思うなら、本当に強い人はいないか、あるいは、そういったグループはないのか、を調べると思うのですが、彼はひたすら、自分は強いと思い込み、「日本一ではあるまいか」と思い込んでしまったのです。こういった思いが、ストレートにでて、「ボクは日本一だと思う。だからこれを証明してみたい」という投書になって表れたのです。
 この一つの投書をどのように扱うか。採否を含め、ディレクターは動き出すわけであります。

 まず、山形さんの思い込みがいわゆる絵になるか、をチェックしたあと、次にすることは、彼の力がどれほどのものかの判断が必要になります。こうして始まったのがその道のエキスパートの探索です。それほど難しいことではなく、いまはHPの検索で当たれば大概のことは調べられます。こうして社団法人日本連珠社理事長である九段、つまり私にたどり着いたわけであります。
 かくて私に、山形さんの実力を判断していただきたいとの要請があり、シナリオライターとして彼に出会い、実力判断することになりました。
 ディレクターは私の判断を100%、なんの疑いもなく信用。どういう形で進めるのが最善か、どういう形で受けてくれるか、を問い掛け、私が回答する形で基本的なストーリーが出来上がりました。後は肉付けをし、桂小枝さんの巧みな話術と操縦で展開していきました。

 こうして出来上がったのが、私の出演した探偵ナイトスクープであります。
 私がここで言いたいことは、ディレクターのチエが一流でないと人気番組にならないであろうということ。そして、番組つくりにその道のエキスパートの力、チエをふんだんに取り入れていると言うことです。エキスパートの力、チエにはなんの疑いもなく、100%の信頼で受け入れ、その上でどう展開すればよいかを考えていく。当たり前と言えば当たり前ですが、日頃、我々はそれほど素直に、つまり人の意見を100%信頼して受け入れることができるか。考えさせられました。
 こんな相手にめぐり合いたい、と思ったものであります。

 つまり、一流と一流がぶつかったときに素敵なものが出来上がり、そのスキマには信頼こそあれ、疑いはないということであります。
 トップレベルにある人は、トップレベルの人をひきつけ、さらなる能力を高めていく。
 言いかえれば、どんな些細なものでもトップレベルに到達することにより、他のトップレベルの人に出会うチャンスが大きくなり、成功の道に歩む目が大きくなるのではないか、と思ったのです。

 情報もしかり、技術もしかり、だと思うのですが、いかがでしょうか。
 情報をもらいたい、技術をもらいたい、ともらいたいばかりで、自分から何も発信できないようでは、人は何も与えてくれないのではないでしょうか。自分も一つの発信者になることが肝要ではないか、と思うのであります。

 素敵な情報、ホンモノの情報をほしいなら、自分からも素敵な情報、ホンモノの情報を発信にならなければいけない。そのためには学ぼうではないか、という提唱です。これを探偵ナイトスクープにみたのです。
 私の業種はそんなことをしてもあきません。私ら零細企業にそんなことを説いても意味がない、そんなことでよくなるわけがない、とおっしゃる経営者が多いことは十分承知しますが、私はそういう方にはちょっと待って下さい、と訴えたいのです。

 最近に私どもの顧問先になっていただいた企業ほど、私の主張に耳を傾けていただけるのは不思議な現象ですが、すこぶる業績が改善されているという事実がでています。中には、まさに奇跡としかいいようがないほどの突然変異が起こっている企業もあります。決して業界がよいわけではありません。ウソでも、誇張でもありません。
 どうか、耳を傾けていただきたい。
 どのように小さい世界でもよい、絶対的と主張をできるくらいのものを、何か一つ身につける努力をしようではありませんか、と提唱しているのです。そういった意味では、私にとっては、たかが「五目並べ」、されど「五目並べ」でございます。

 これからの企業は、学ばないでひたすら汗を流して頑張っても、残念ながら、生き残ることはできないでしょう。規模の大小に関係なく、業界に学び、異業種に学び、文化、教養を身につけることは、企業生き残りの第一条件と思えて仕方がありません。

 生意気なことを言っていますが、では、私どもは皆さんに何が提供できるか。
 我々の提供できるものは、税金対策であり、金融対策であり、経営アドバイスであります。常日頃、メンタルなことを多く言っていますが、3日前には、多重債務者から相談を受け、その内容を分析し、自己破産を進言するとともに、弁護士に紹介しました。私から数字の分析を弁護士に示し、具体的な着手に入りました。
 また、2ヶ月前から携わっている案件は、2億円のテナントビルの建設計画です。テナントビル建設の目的を聞き出してまとめ、建設の概要(建設業者の紹介も)、資金計画、完成後のキャッシュフローのシミュレーション、税金対策、さらにアクシデントに備えての提案、私からのコメントといった一連の流れでプランニングを作成しました。
 今は実行に移っていますが、建設業者の紹介、金融機関の紹介と折衝、生命保険会社のタイアップのもとで行っています。

 私はこういったニーズにお答えするため、できる限り提携できる方とのご交友を大切にしようと心掛けています。そして、皆さんからのご要望には、自分でできることは自分自身が受け、案件によっては、それぞれの専門家を紹介して、一緒に解決にむけて全力をそそぎたいと考えています。

 数字を扱うものとして、常にトップレベルの数字に関するノウハウを持ちつづけたいと思っています。師と仰ぐ、嵯乃庭慈泉先生から送られた言葉、「言霊(ことだま)にあたる数字の霊、数霊(かぞたま)の達人たれ!」を大切に守りながら、皆さんのご要望にお答えしていきたい。30周年を迎えた今、気を引き締めて、一層の努力をそそいで参りたいと思っています。
 これが私どものエキスパートでありたい、と強く思っています。

 30周年の喜びに加えて、早川光志の会計士補としてのスタート。結婚35周年、還暦、直前に孫の誕生、と嬉しい出来事がドッと押し寄せてくれました。この喜びを逃がさないように、一層の研さん努力、そして何より実行を心がけたいと思っています。
 私の思いがうまくお伝えできたか、はなはだ心もとありませんが、30周年に当たってのご挨拶とさせていただきます。
 本当に本日はありがとうございます。心から感謝を申し上げ、御礼といたします。今後ともよろしくお願い申し上げます。

新会計人として…会計士補 早川光志
新会計人として…会計士補 早川光志
30周年に感謝…税理士 早川嘉美
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30周年記念コンサートヴァイオリンをもった天使たち
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30周年記念懇親会
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平成15年3月29日 30周年記念式典にて (談)