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「連珠を世界に!」ロマンの旅 2

海外に渡る連珠

京の早川八段とソ連のサプロノフさん=対局をきっかけに

日本の連珠が、初めて海外に渡る。この夏大阪のエキスポランドで開かれたソ連邦展覧会のために来日したソ連タス通信社のウラジミ?ル・サプロノフさん(27)と、連珠界のトップ棋士、京都市東山区 日本連珠社京都支部長早川嘉美八段(35)との出会いがきっかけ。独学で連珠の心得のあったサプロノフさんは、たまたま早川八段と対戦して「すばらしいゲ?ム」とすっかり感激、「モスクワに連珠クラブをつくってソ連にも連珠をひろめたい」というほどの打ち込みようだ。すでに連珠とともに日本を代表する室内ゲ?ムの囲碁、将棋は欧米への普及が浸透しており、その点連珠は一歩遅れていた。この話が実現すれば、‘世界の連珠’に発展する礎となるだけに、早川八段ら関係者の期待は大きい。

一歩遅れた普及への熱意

連珠は五目並べの進歩、発展したもの。日本では多くの人に親しまれている。しかし、囲碁などが欧米でどんどんひろまっているのに比べ、これまで連珠は組織的に海外へ普及させることはしてなかった。せいぜい、留学生などが五目並べを持ち込むくらいだった。

ところが、この五目並べが向こうで人気があるという。ソ連でも、紙エンピツで五目並べを楽しむ人がかなりいる。サプロノフさんも、最初はこの五目並べでスタ?トした。

「ええ、11年前でした。友だちに教えられました。けど、ソ連のゲ?ムと思っていました。紙とエンピツでよくやりました」

このサプロノフさんが、モスクワ大学へ入学、1年生のとき彼らのグル?プに日本人が一人いた。「五目並べをしたら、これは日本のゲ?ムといわれた。それで興味が高くなりました」とサプロノフさん。

五目並べでスタ?ト

自宅での指導スナップ
写真は、自宅での指導スナップ

日本語の勉強をして、図書館で日本の百科事典を調べてみると、連珠のことがのっていた。連珠の本も1冊あったので、サプロノフさんは、この本と事典を通し連珠の正しいル?ルと打ち方を少し覚えた。

連珠を楽しむにも、紙とエンピツでは少し物足りない。プラスチックで盤をつくり、石のかわりにチェッカーの駒を充てた。五目並べを教えてくれた友人には、逆に連珠を教えるなど、ひまがあれば楽しんでいたという。

「勝ってばかりね。2年前、沖縄に来たとき、日本人とやりましたが、これも勝ちました」。連珠の奥の深さ、だいご味を知ったのが、こんどの来日で早川八段と対戦、完全に打ち負かされたときである。

さる8月、ソ連邦展覧会の席上でソ連とチェスの親ぼく戦があった。その席に早川八段の友人で、連珠初段の達富弘之さんが参加していた。サプロノフさん手づくりの連珠盤があるのを目にした達富さんが、サプロノフさんに、早川八段のことを話したのが、二人の出会いにつながった。

「連珠は石は動きませんが、ゲ?ムは非常に厳しい。一つ間違ったら名人でもダメです。それに覚えやすいすばらしいゲ?ムです」と、サプロノフさんは早川八段と対局してさらに興味をふかめた。

「ソ連でも、個人的に五目並べを楽しんでいる人はいます。でも組織をつくってしないと普及しません。モスクワに連珠クラブを設立して、連珠をひろめたいです。ゲ?ムはたくさんあるほどいいですから」というほどの熱の入れようだ。

英語の翻訳書あれば

欧米はチェスなど頭脳スポ?ツのレベルが高い。なかでもソ連はチェス王国。こうした室内ゲ?ムの好きな国である。それだけに早川八段ら関係者の期待は大きい。

「どんなことでも協力したい。ソ連でも五目並べがあると知って感激だし、サプロノフさんはすばらしい資質のある人です。いまでも有段に近い実力があるので、いい指導者になられると思う。ソ連なら、室内ゲ?ムを受け入れられる要素があるので、クラブが出来たら大きく育っていくのでは…」

と、早川八段はユメをふくらませる。

ただ、サプロノフさんの話によると、チェス関係者の協力が必要だという。それと、連珠の翻訳書を要望する。英語でもいいとサプロノフさん。というのも、ソ連で一つあるレニングラ?ドの囲碁クラブの人たちは、英語の棋書で勉強しているかららしい。サプロノフさんは、さる3日に帰国したが、早川八段は「これからも連絡を取りながら、海外普及に力を入れたい」と話している。

77年8月6日 京都新聞