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幻の原稿
「企業の繁栄を考える  行動する人間たれ!」

このところ、事務所承継を控えて、たまりにたまった資料に大ナタを振って処分する日を続けていますが、 どうしても捨てられない、捨てたくない、といったものが多くあり混乱の極みにあります。
今回UPすることにしたエッセーもそのひとつ。Z社から依頼されて書き留めていたものですが、 ボツになった幻の原稿がポロッと出てきました。目を通してみると若き日(ナント1991年、23年前) の主張に陽を当ててみるのも案外面白いかもとどうにも捨てきれません。
川端康成の発見された幻の〈恋文〉のような脚光を浴びるわけではありませんが、私にとっては何となくもったいない。
という勝手な思いで、当時のままの原稿で連載してみることにしました。若き日の1ページで5回分が書き留められています。
(注)掲載に当たっては、個人のお名前はイニシャルに止めることにさせていただいた。 また大半が趣味のことになるが当時は、ライフワークとして全精力をかけていたのでお許しいただきたい。
なお肩書等は1991年当時のままによる。


企業の繁栄を考える
  行動する人間たれ! 5

㈱サクセス・シミュレーション
代表取締役 税理士  早川嘉美

1991年8月4日―12日、第2回連珠世界選手権戦に出席のため、モスクワに出掛けた。帰国直後にクーデターが起こり、見て、聞いて、感じてきたことが鮮明に浮かび上がる。 エピソードを交えながら、今回の基本テーマ―「企業の活性化は個々人の活性化にあり」を考えていきたい。
今回は5回シリーズの最終回。未完である。

一生懸命と一所懸命

仕事にせよ、遊びにせよ、何ごとによらず集中することが大切である。いわゆる一所懸命という訳であるが、最近は一生懸命と書くらしい。 一所を懸命にすることは比較的可能だが、一生を懸命にすることは大きな重圧のように思えてならない。
それはさておき、国際親善だって一所懸命する方がよい。にこにこ楽しく語り合うのはむろん結構だけれども、その裏にド真剣な態度がないといけない。 例えば今回の連珠世界選手権モスクワ大会の場合、選手は対局にすべてをかけるべきである。「盤上没我」が望ましく、確かな技量で裏打ちさせていればいるほど、尊敬の念をもたらし、国際親善に果たす役割は大きなものになる。 つい先日行われた世界陸上選手権のルイスやジョンソン、ブブカの例をみれば明らかであろう。
国際親善にスマイルも大いに結構だけれども、自国に尊敬、敬意、愛情を与える形が最も望ましい。

トロイカ合唱団

私たち日本選手団役員の行った一所懸命とは…。
実は来日中のロシア人、アレキサンドルフ女史を先生にしてのトロイカ合唱団であった。 副団長のT、コーチのHと筆者、多忙な3人がまる一日かけて、トロイカの猛特訓を行った。 もちろんロシア語で、である。夫々テープにとって持ち帰り復習をした。その結果はどうであったか。
歓迎レセプションで私たちの出番。♪走れトロイカ♪と歌いだした。ロシア民謡だからみんなニコニコ笑顔を見せてくれる。 さて2番、♪バトムチーツァトロイカ♪とロシア語になった途端騒然となった。 ピィピィと口笛を鳴らすも人、拍手する人、一緒に歌いだす人。歌っている我々は感激である。アンコールではロシア人を交えての合掌。努力が報いられた楽しいひとときであった。
さらに、大会半ばで設けられた公式歓迎会でも要請されて再演することになり、楽しさをじっくり味わうことができた。 この楽しさこそ、前回紹介した「偶然は準備した人しか助けない」ではなかったか。
一所懸命。素晴らしいではないか。 ところで、この中に成功の秘訣が隠されていると思う。つまり、何ごとでも自分のものにするまでは、労力的にも、物理的にも負担となるが、 いったん身に付けてしまえば、いつでも、どこでも、何の負担もなく喜びを分かち合えるということである。

ケアを忘れない配慮

ところで、トロイカの原詩をご存じだろうか。日本語では楽しく、軽快なリズムによってハミングする歌だが、原詩は病いに倒れた姉をトロイカに乗せて医者に連れて行く、 早く走れ、早く走ってくれという内容だという。これを知ったとき、いったん止めようということになった。 そして♪リンゴの花ほころび♪で始まるカチューシャにしようかとなったが、これが又、2番目の歌詞が第一次大戦の兵隊を送り出すものであった。
いかに一所懸命であっても、相手へのケアがなければ逆効果である。いやいや、相手へのケアがあってこそ一所懸命といえるのである。一所懸命もムヤミヤタラであってはいけない。
結局、アレキサンドロフ女史の「トロイカは一般的に親しまれているから気にしなくていいですよ」のアドバイスで歌ったけれどもー。

パズルの効用

前回、パズルの効用について記させていただいたが、執筆のためあれこれ資料をあたっているうちに、84年6月に記した『続・頭のジョギング』(京都新聞社刊)のあとがきに出くわした。 もう7年にもなるのになんと新鮮なのだろうと我ながら惚れ直してしまった。
厚かましくも全文紹介したい。
  ×  ×  ×
この1年、いろいろな方と話したり、講演を聞いたりする機会に恵まれました。
光ファイバーなど最先端の技術に携わる方、OA機器の技術開発に携わる方、商品開発を推進する方、国際交流に務めながら京都のお寺に魅入られたアメリカ人、 宗教の教えを説いてくださった方、人としての生き方、考え方を指導して下さった方、等々。
天と地、水と油ほどの違いがあると思われる方々が、最後に等しく訴えられたのは「人をつくる」ということでした。 これからは“知識”の時代ではなく、“知恵”を必要とする時代だといわれるのです。
実に簡単な論理です。「これだけ高度化し、細分化された時代なら、人から何かを求めたいだろう。だったら、自らも人に何かを与えなさい。 それができないなら、誰からも何も与えられないし、求めるのは土台ムリだ」そして「与えるためには自分を磨きなさい」」という訳です。 さらに付けくわえて「自分を磨くということは、知識ではなく、知恵を身に付けることですよ」と結ばれます。
パズルの本に相応しくないことを記してしまいました。しかし、パズルには、応用、機転、反復、ヒラメキ、根気、 試行錯誤とチエを育てるに必要な要素をすべて持っています。頭の柔軟こそ、これからの時代に大切なことのように思います。

発明成功への十訓

企業の繁栄には、発明、発見、創造を求めるのは必須であろう。ここに面白い資料がある。
硬派というべきベンチャー企業の発明十訓、食品開発のためのヒラメキの必須条件、パズル創作のコツの三つである。 まったく別方向と思える三つに共通点が多くあり、大変興味深い。少しアレンジして解すれば、人生そのものといえそうである。
一挙に紹介してみたい。

「発明成功への十訓」 K知的所有権研究会編

1 発明は欲から入って、欲から離れたところにある。
2 悪い案も出ない人は、良い案は生まれない。まず量を出すことを心掛けよ。
3 智性の筋肉はアイデアなり。筋肉を鍛えた者が成功する。
4 頭や手を使っても金は使うな。
5 発明題目は自分で実験できるものを選べ。
6 くそっとおもったら金の卵がある。
7 半歩前進、ちょっと捻れ。それが成功のもと。
8 他人の発明に感動する心を養え。次に「私ならこうする」と考える。
9 出願文章は練習せよ。それが次の発明を引き出す。
10 発明の売り込みは、発明をしたエネルギーの10倍使え。

ヒラメキの必須条件

N社の大ヒット商品“朝げ夕げ”の開発プロジェクトのチーフ、N氏の言うヒラメキの必須条件。講演から筆者がまとめたものをご紹介する。
1 情報をもっていること。品の良いものをできるだけ多く。
2 加工変化させる。―とーの組み合わせ。
3 問題意識がないとアイデアは生まれない。
4 大きくしたらどうなるか? 小さくしたらどうなるか?
5 責任感がないとダメだ。そのうち何とかしないと、はダメだ。期限をもって取り組め。
6 情熱がないとダメ。好きなのか?嫌いなのか?

パズル創作のコツ

これは筆者が83年6月に著した『頭のジョギング』(京都新聞社刊)に記したもの。

1 何事にも興味を持つこと。好奇心といった方が適切でしょうか。

2 新しいものをみるときは、身構えて、否定から入るのではなく、興味しんしん、眼を輝かせて愛情を持ってみないといけません。

3 ネタ、タネになるような資料、材料をよく知っておくようにします。

4 「どうしたら便利か」「どういうものが欲しいか」を頭の片隅に入れておき、いつでも引き出せるように、日ごろから習慣づけておきます。

5 まったく新しいものを開発することは不可能です。いきなりピカッとひらめくものではありません。小さな工夫をバカにしないで素直に喜びましょう。

6 何か考えついたら、すぐに試作品を作るかメモを取っておくことが肝要です。


以下未完

オマケ
オマケとして、私の代表的な創作パズル「すうじの迷路」を1問掲載しておきましょう。
[問題]
↓からスタートして、三つのマスを足して10になるように進んでください。
終わったところから、また三つのマスの和(足し算の答え)が10になるようにすすみます。
タテ・ヨコでナナメはすすめません。
そうして、ゴールにすすめばゴールインです。
ゴールインしたら、使っていない数字を塗りつぶしてください。何か文字が出てきます。
さて、なんでしょう?

すうじの迷路

(1983年6月発表)

企業の繁栄を考える
  行動する人間たれ! 4

㈱サクセス・シミュレーション
代表取締役 税理士  早川嘉美

1991年8月4日―12日、第2回連珠世界選手権戦に出席のため、モスクワに出掛けた。
帰国直後にクーデターが起こり、見て、聞いて、感じてきたことが鮮明に浮かび上がる。
エピソードを交えながら、今回の基本テーマ―「企業の活性化は個々人の活性化にあり」を考えていきたい。
今回は5回シリーズの4回目。

1991年8月初旬のモスクワ訪問を交えながら話を進めさせていただいているが、今回はモスクワのお話をお休みいただいてゲームの話。

偶然は準備した人しか助けない

筆者の連珠活動は33年(1991年でのこと)になるが、国際普及にふみ出したのは、77年8月、 モスクワに住むウラジミール・サプロノフさんとの出会いからである。 ソ連邦建国60周年行事で吹田市に来ていた彼とはまったく偶然の出会いである。 ソ連におけるたった一人の連珠フアンであった。
我が家に招待したのが機縁になって、京都―モスクワを結んだ手紙による対局が始まった。
そんな小さな出会いが、いまや世界選手権戦が開かれるまでに発展し、25ヶ国にフアンがいることが確かめられている。感無量である。
「偶然は準備した人しか助けない」(パスツール)好きな言葉である。

研修は楽しく!

私は連珠を通してゲームに大変興味を持っているが、未来会計、社員研修に力を注ぐようになってから、これらをヒントに研修用ゲームを数多く開発している。 シミュレーションゲームと名付けてゲームだけをとりあげたセミナーを開催したこともあった。
紙面で紹介するのは「感動」を伝えられないので、記していいものかはなはだ疑問なのですが、今回は最近のヒット作から「パーセプションギャップ体験」を紹介してみようと思う。
なお、研修にゲームを取り入れるのは気分をほぐし、、受け入れ態勢をつくる、いわば〈つまみ〉としての役割が主目的であるが、ゲームそのもので気づきを与えることもしばしばである。
筆者は,真面目に取り組んで、真面目に進めて、真面目な結論に結び付ける研修の進め方に疑問を持っている。 取り組みはまじめに、が、研修中はできるだけ楽しく、結論はまじめに捉える、これがいいのではないだろうか。

パーセプションギャップ

パーセプションとは知覚の変動をいう。日常に中で何とも思わなかったことが、何かの拍子に「アレッ!」と思い「そうだったのか」と思われたことがあるだろう。 この「アレッ!」と「そうだったのか」の間にギャップがある。これがパーセプションギャップである。
成長している人の軌道は、一見真っすぐ右肩上がりに伸びていると思い込みがちだが、拡大してみると図のように途切れながら上昇しているといわれている。
大切なことは、その途切れは必ず落ちてから再び上昇を始めることである。これを知っておくとゆとりが生まれると思う。いわばカルチャーショックのようなものだ。
「アレッ!」「ハッ」等パーセプションギャップの多い生活にこそ、人生の喜びがあり、成長があるという訳であるが、机上でそんなことを解いても実感もなければ面白くもない。
市場を通して体験してみようというのがパーセプションギャップ体験である。

パーセプションギャップ体験

パーセプションギャップ体験の進め方は次のとおり。

1 参加者一人について3000円を渡す。ミーティング開催予定の1週間程度前がよいだろう。

2 参加者は3000円以内の買い物をする。買い物の内容は、一見何に使うのか使い道のわからないもので、説明を聞いたり、 理解すると“アッ!”と驚いたり、なるほどとうなずくもの。新素材であったり、素材の目的外利用、時代にマッチしたもので付加価値の高いものが目的にかなっている。

3 だれがどの「商品」を買ってきたかを伏せて、みんなで発表会を行う。   このとき、参加者には次のことを確認しておくこと。  「商品」を見るときは、ハスで見たり、否定から入るのではなく、好奇心をフルに開放し、興味しんしん受け入れ態勢で見ること。 思わぬ「商品」に出会ったとき、どれだけアッと驚くことができるかがポイントである。

4 すべての発表が終わった後、全員でパーセプションギャップにもっともふさわしい「作品」の1~3位投票を行う。 楽しみために賞金を出すのも一考であろう。当社の場合、1位1万円、2位5000円、3位3000円で実施した。


頭の中であれこれ考えるより実行である。余談だけれど、社員研修には当然いくばくかの予算措置が必要であることは論を持つまい。インパクトがある方が効果が高いことを抑えておきたい。
効能をあれこれ記すより、体験記を紹介してみよう。

体験記 1

はじめての経験で何処に行ってよいかわからず、あっという間に1週間が過ぎてしまいました。これではいけないと思い、買い物に出ました。 仕事が終わって帰宅の道すがら、商店街を当てもなく歩き、初日は収穫もなくとぼとぼ帰りました。
2日目、とにかく普段いかないお店に入ろうと刃物屋さん、金物屋さん等を尋ねました。 そこで店員さんから「何をお探しですか?」と聞かれたのですが、「私もわからないんです。何か珍しいものありませんか」、と尋ねる始末。 それでも苦笑しながらいろいろな品物を出して説明して下さり、あまり気がのらなくて買わなかったときは、気の毒な感じでした。
5,6店まわってあきらめかけたところ、輸入品を扱っている感じの良いお店があったので、早速中に入りました。 店内をうろうろしているうち、はっと目についたものがありました。それは鮮やかなメタリックブルーの色をしていました。 最初は置物と思ったのですが、実は××(写真中央)でした。これに決まり、とすぐに買い求めました。その時の喜びは大変なもので、足取りも軽く帰宅しました。

実はxx

いよいよ発表の当日。それぞれ1点ないし2点を持ち寄り、全部で10数点になりました。
それで品物当てが始まったのですが、眼にしたことがないものばかりでなかなかわかりません。 いかに知らないものが多くあるかと驚きました。 それと同時に、こういった一風変わった研修、つまり一般的には教材を使った研修が多いのですが、 一見使途不明なものを前にして想像をめぐらし、発表しあうことは、日ごろの固くなった頭脳をリフレッシュしてくれる意味でもとても興味深いと思う。

最初は何のためにと疑問を感じ、目的物を探すまでは大変苦痛でしたが、品物と出会ったときは、苦労して探していた分、皆、目が輝いていたように思います。
(32歳 女性)

体験記 2

「珍しい物の発見」という一つのテーマに取り組むことを耳にしたとき、なんてすばらしいことだと思いました。
その瞬間、「よし、1等を目指して頑張るぞ」と意欲的になり、早速買い物に出掛け探しましたが、なかなか見つからず、結局、友達に「何か珍しいものはない?」なんて聞きまわったりしました。
皆さん本当に珍しい物ばかり探してこられ、その熱心さが感じられ、それに比べ私なんか用途をすぐに当てられてしまいがっかりです。今になってもっといろんなところに見て回ればよかったと後悔です。
楽しい1日も“あっ”という間に過ぎましたが、久しぶりに気分転換にもなりましたし、まだまだ私の知らなかった皆さんの新たな一面を発見することができ、とてもよかったです。
是非、もう一度とは言わず、何度でも皆さんが一つの目的をもって楽しめば最高の喜びになるでしょう。そして、いつまでも皆さんとの素晴らしい輪を大切にしていきたいと思います。
(25歳 女性)

写真 正解はわかりましたか? すべて「栓抜き」です。

企業の繁栄を考える
  行動する人間たれ! 3

㈱サクセス・シミュレーション
代表取締役 税理士  早川嘉美

1991年8月4日―12日、第2回連珠世界選手権戦に出席のため、モスクワに出掛けた。帰国直後にクーデターが起こり、見て、聞いて、感じてきたことが鮮明に浮かび上がる。エピソードを交えながら、今回の基本テーマ―「企業の活性化は個々人の活性化にあり」を考えていきたい。
今回は5回シリーズの3回目。

知行合一

筆者の師、瀬尾謙一老からいろいろなご指導を受けた。生意気にもいろいろな句をご紹介しているが、そのほとんどが師からの教えである。
この中から一つ「知行合一」を紹介してみよう。
知ったら行う、行って知る。これを知行合一(ちぎょうごういつ)という。陽明学の基本的な教えである。
「古(いにし)えの道を聞きても唱えても 我が行ひにせずば甲斐なし」
知行合一、大切にしたいものである。

見たくない/聞きたくない

ところで同じものを見たからといって、人は同じ考え方をするかといえば、いわずとノーであろう。
例えば、モスクワのクレムリンを素敵だなぁ~と満足してみる人もいれば、庶民をしいたげて豪華なものをおっ建ててとプリプリ見る人もあるかもしれない。今回の訪問ではお土産を買わなくちゃーと心ここにあらず、といった人もいた。もっとひどいのになると、見たくない、見たってしょうがない、とばかりに一緒に歩くだけの人もいた。何のためにモスクワ・赤の広場を散策するのだろう。まったく不可解である。
仕事中にゴルフのことを考え、プレー中に仕事のことを考える輩と同類である。これではとても心を通わすことができないし、集中することなどできっこない。何事によらず、成功を期待する方が無理だろう。
景色のことぐらいというなかれ。こういった人には、必ず人生観に同様の考えが入り込んでいるはずだ。行動的人間になるためには、このような考えを追い出すことから始め、感動を大切にする心を養っていくべきことが重要だと思う。
「聞きたくない」もまったく同様である。国際戦ともなるといろいろな言葉が飛び交う。今回の場合、英語、ロシア語、スウェーデン語、アルメニア語など、慣れない者にとっては耳障りこの上ない。神経が苛立っておちつかない。
どのような声(音)も子守唄に消化できる人なら、しめたものである。音は誰にでも同じように聞こえるのではない。雑音、騒音の中からでも、意識を集中することによって、見事に必要とする情報を聞き分けることができる。すなわち、聴力は感知能力をもっている。次の実験をするとお分かり頂けるだろう。
(1)2人づつ5組がペアになって、交差した状態で会話を行う。
(2)5分くらいでよいだろう。
(3)このあと、テープを聞きなおしてみると、果たして、どのような話し合われていたのかわかるだろうか。

テープではまるでダメだが、対面会話の場合には関心をもって神経を集中すれば、雑音・騒音の中から、目的の声を聞き分けられている。
これこそ、情報受理能力と一致する。情報の飛び交う中でも自分の欲する出来事には、感知能力を働かせて、かすかな情報をキャチする。すべて関心・好奇心から始まる。
このように、騒音・雑音の中から自分の欲する音を聞き分けることができれば、一方ではこれを消すこともできる。かくいう筆者にはとても無にする息には達しないが、その道の名人ともなればやはり器が違うようだ。

盤上没我

第2回連珠世界選手権モスクワ大会を制したのは、わが国で常勝をほしいままにするN名人である。31歳の若さというのに、すでに10期連続名人を保持中で、まさに“我が道を行く”存在である。
第1回世界選手権京都大会では8勝1分けで他を圧倒。そして今大会も9勝2分けのぶっちぎりであった。この道での世界のスーパースターである。対局における環境の違いを知っていただくとその凄さがよくわかる。
わが国での対局となると静寂、対局時計の音さえもが大きく響く中で行われるのが常である。ところが、外国での対局となると賑やかそのもの。対局者のまわりを30人ほどが常に徘徊している。一手ごとに記録を残している。日本選手の周り、特に名人ともなれば、その数も多い。奥さん、子連れの人もいる。まさにスポーツ感覚の観戦風景である。雑音も著しい。その上、先に記したとおり、英語、ロシア語、スウェーデン語、アルメニア語、むろん日本語も飛び交っており、いやがうえにも耳に入ってくる。海外初参加のN名人には大変な負担であったはずだ。
だが、名人は違った。「過去の連珠人生で、京都をはじめ各地で対局したが、観光など一切したことがない。たとえモスクワであっても同じである。私は「仕事(対局)をしに行くのです」と語る。盤上没我である。そこにはいかなる環境に変化にも動じない卓越した集中力が培われていた。
なお余談だが、連珠が世界発展を遂げるには、ややもすれば神秘的、隔離されている対局から、スポーツ感覚を取り入れた開放的対局スタイル、この二つの融合を受け入れなければならないだろう。このことは、日本の文化・スポーツ全般について言えることだと思う。

逃げの姿勢に成功なし

一方、見たくない(見られたくない)、聞きたくない、と逃げの姿勢を取るとどうなるか。具体的に今回現れたのは、薄暗い対局室で、サングラスをかけ、耳栓をし、大きなマスクで顔覆った対局姿であった。
結論を急ごう。1日目はまずまずであったが、2日目からおかしくなっていく。最終日(5日目)になるともうボロボロである。神経過敏、聞きたくないと意識すればするほど、些細な音も気になってくる。聞き耳を立て、聞かなくてもいい些細な音まで拾ってしまう。また、見ていないふりをする、聞いていないふりをする生きざまは、必ず大きなツケがやってくることを知っておきたい。逃げの姿勢、フリをする人生には、成功も遠慮してやってこなくなるのだ。

超音波理論

音の話が出たところで、超音波理論的行動理論を紹介しておこう。
これまではエネルギーがあるから行動したが、行動することによってエネルギーが生まれるとする考え方である。
超音波は1秒間に20万回以上の周波数だそうだが、波長、つまり波がある。この波(波長)の上に物を乗っけて動かそうという試みである。
さらにその動く物体を利用してエネルギー源にしようという壮大な構想である。ビデオだったが見たときはびっくり仰天したものだった。
将来にマイナスをつけまわす「オストリッチ症候群」は取り入れてはいけない。

超音波理論的行動

1 いままでは動くから振動が出る。これを「振動が出るから動く」とまったく異なった発想をする。
2 応用範囲が広く、何にでも使える。
3 非常に小さなエネルギーで大きなトルコー(動き)を出すことができる。
4 新しい仮説から生まれてきた。
5 動くことから始める。

なかなかうまく説明できないが、わかりやすい例を記してみよう。
皆さんも子どものころにされたと思うが、紙相撲(トントン相撲)を思い出していただきたい。紙に書いた土俵をトントンと叩いて楽しむアレである。
ゲームを楽しむために、トントンと縦の運動を起こすと、すると、あら不思議、「関取」は横の振動として捉え、見事に「相撲」を取ってくれるではないか。
たての振動を横への振動と取られる才覚、モスクワでの騒乱を自分へのメッセージと捉える知恵。こんなチエをつければ、世の中のどのようなメッセージでも自分へのメッセージとして捉えることができる。楽しい人生が約束されるではなかろうか。

企業の繁栄を考える
  行動する人間たれ! 2

㈱サクセス・シミュレーション
代表取締役 税理士  早川嘉美

私は8月4日―12日(1991年)、第2回連珠世界選手権戦に出席のため、モスクワに出掛 けた。帰国直後にクーデターが起こり、見て、聞いて、感じてきたことが鮮明に浮かび上 がった。
エピソードを交えながら、今回の基本テーマ―「企業の活性化は個々人の活性化にあり」 を考えていきたい。

情報はチョイスである

我々は今、情報公害に侵されていると言って過言ではない。新聞、雑誌、テレビ、専門誌 等々、つぶさに見ていたら、仕事をする時間を失ってしまうばかりか、自分さえも見失っ てしまいかねない。かといって、ひとところの情報だけで解釈するとその本質を見誤って しまうだろう。
表に現われる情報から、いかにその本質を見定めるか。これは日ごろの訓練に負わねばな らないように思う。具体的に考えてみる。
モスクワ出発前、我々はテレビ、新聞とは別に二つのソ連情報をキャッチした。ひとつは、 名を記せばあああの人かトピンとくる人も多い経済評論家。「ソ連の物質のなさは相当なも ので、我々の理解を超えている。つい先日、モスクワに旅行に出掛けた娘が言っていたが、 ネクタイをつけた紳士がゴミ箱をあさって食べ物を探している。ソビエトに行くなら、自 分の食べ物は自分で準備しておかないと大変ですよ」と忠告いただいた。
一方、この方も著名なソ連通の某先生。「モスクワに食べ物がないというけど、それほど心 配しないでいいですよ。あるところにはあるからー。あなた方が行くのだから、ちゃんと 準備できているはずです。彼らは流通手段をもっていないから、いくら物質の供給をして もダメなんですよ。」
両極ともいえる二つの情報。重要なことは、どちらもガセネタではないということである。 13名の日本選手団のまとめ役の私としてはどう対処すればよいのだろうか。まさか、足し て2で割る訳にはいかないのだからー。
私は情報とはチョイスであると思っている。受信した情報から自分なりの解釈を加える。 つまり先見的解釈に意義を見出すべきである。
さて、今回の二つの情報。私は両方を紹介しながら、「私は後者をとるが、いや違うよとい う方、異国での食べ物に自信のない方は、ご自身で準備してください」と伝えた。その反 応が五様に分かれたのであるが、それぞれについて考えてみよう。

情報分析に個人差あり

まず五様からー

(1) 食糧難がおこってはかなわない、とインスタントものを中心に自分の食事を確保し て出掛けた人。
その心は…残れば現地に人にあげればいいじゃないか。

(2) 前者とほぼ同じ。食事が自分に合うか自信がないから、自分に合った食料を確保して出掛けた人。
その心は…体調をこわして楽しい交流をぶち壊したくない。

(3) 食べ物がなかったら大変だなぁ~と思いつつ、かさばる上に残ったらもったいないとばかりに、何も持ってこなかった人。
その心は…ケセラセラ、なるようになるさ。

(4) なんでも食べられる人。食糧難も1週間程度なら大丈夫。主催者側が必ず準備してくれると確信しつつ、万が一の場合に備えて多少の準備をした人。
その心は…どう転んでもOK。

(5) なんでも食べられる。1週間程度なら大丈夫、主催者が必ず準備してくれる。ここまでは(4)と同じ。だから何も持っていかない、が違う。
その心は…自分の意志、ヨミに自信あり。

選択によって違った現象

さて、その結果はどうなったかをチェックしてみると面白い。

(1) 重い荷物、かさばる荷物にブツブツいいながらも、現地では何のトラブルもなくクリア。残ったものはみんなに配ってご機嫌であった。

(2) ブツブツがなくて、ほぼ(1)と同じだが、口に合わないメニューと7日間も同じではたまらない。良かったなぁと安堵の胸をなでおろしながら、なんとかクリア。

(3) これが三通りに分かれた。食べ物が口にあった人。よかったよかった、なるようになったわい、と上機嫌であった。
悲惨だったのは口に合わなかった人。さあ大騒ぎ。イヤイヤ食べ続けると極端な食欲減退を引き起こす。体調不振を訴える。どうやら口内炎もおこるらしい。朝晩の歯も磨けないとボヤク。さらに食べられなくなっていく。
その結果がどうなるか。かなりの打ち手が、1勝5敗1分けと惨憺たる結果を招くのである。そしていわく。「早川さんらは何度も来ているから要領がわかっているが、私は初めてだから要領がわからない」
この考え方ほど、非行動的な発想はない。いち早く脱皮を願いたいものである。
まさにテーマである「行動人間たれ!」の反面教師というべきであろう。

(4) この種の人は万全。もはや何にも動じない。なんでも食べられる人ほど強い人はない。行動人間として最適である。筆者も早くこの仲間入りをしたいと願っている。
さらに強いのは、少し変調だと思えば、口にあったものを少し含んで体調を整えていることだ。

(5) なんでも食べられる。この種の人と(3)の一部にみられたのが、甘えの構造だった。「本当は食べないでもなんともないんです」と言いつつ、他の人が持っていったラーメン、お茶、みそ汁、コーヒーにたかっているのである。湯も沸かさないでいいし、ポットも持参しなくていい。楽なものである。 甘えの構造は随所にみられた。

リスクには担保を!

ひところベンチャー企業がもてはやされた。ベンチャー企業といえば金融機関も随分甘い査定でどんどん資金を貸し出した感があった。
でもその頃から疑問に思っていたことがある。つまり、ベンチャー精神のない企業なんて本来皆無であるはずだ。♪明るいナショナル♪だって、電球から始まり、蛍光灯―洗濯機―ビデオ―OAと次つぎと社内ベンチャーを続けてきたものだ。
我々税理士事務所だって、旧態依然の記帳と決算のみに固執している事務所の割合はどんどん減っているはず。筆者のように未来会計や社員研修に力を注ぐ者もあれば、医業コンサルタントやM&Aに進むものなど千差万別だけれども、これも立派なベンチャー企業だと思うのである。
いや実は、そんなことをいいたいために記したのではない。いっけん格好良く見えるベンチャー企業に、リスクに対する担保が保全されているということである。
口内炎がおこったからといって食べないで済まされる話ではない。
重いけれど、かさばるけれど、無駄使いになるかもしれないけれど、リスクに対する担保は、ベンチャーへの情熱と同じくらい大切に考えたいのである。

施無畏

せむい、と読む。いかなることが生じても、最も適切に対処できるように準備しておく。つまり、どのような状況下におかれても、充分注意して間違いのない行動をとる心の準備をしておくこと。
わかり説明してみよう。「火事だ!」の声を聞けば、水を持って走るとか、ガスの元栓をしめるが如きである。これをオロオロして、救急車を呼んだり、石油ストーブを蹴っ飛ばしてはならないのである。

今回のことば

「滞句者迷」 言葉にとらわれているものは迷う。迷うものは句にとらわれる。

企業の繁栄を考える
   行動する人間たれ! 1

㈱サクセス・シミュレーション
代表取締役 税理士  早川嘉美

企業にかぎらず、組織と名のつく限り、およそ活性化を考えないものはいないだろう。
いま企業ではメセナ、あるいは余暇文化、生涯学習が声を大にして叫ばれている。 しかしどうも上からの指示、命令が幅を利かせているようで、自らの意志で行動をおこしているかとなると大いに疑問である。
先日、某社の幹部と懇談する機会があったが、組織をあげて連続休暇を義務付けられ、 「上司が率先して実行しなければ、若い人が休みにくい」から、3日間の休暇を取らざるを得なかったといわれる。 「どう過ごしましたか」と尋ねると、いわく「どうしようかなぁ、と考えていたところ、ちょうど部下の実家のお葬式が入ったので、 2日をそれに充て、あと1日を家内と初めて一緒に映画を見に行きました」と。
仕事一筋人間、健在である。
ところで、筆者は去る8月4日から12日まで、「第2回連珠世界選手権モスクワ大会」に出席した。クーデターのおきる1週間前のことである。 ご存知のとおり、首謀者が逃げ出すという茶番を演じて一応の終結をみたかと思ったら、なんと共産党解散という信じがたい方向まで行ってしまった。
この間にいろんなことを考えさせられた。ご紹介しながら、メーンテーマである「企業の活性化は個々人の活性化にあり」を考えてみたい。参考に資することがあれば幸いである。
なお、記述中に独断解釈が多々あることをあらかじめお断りしておきたい。

受信源より発信源

わが事務所では、毎月〈目標と実績〉の簡単な比較に、必ず〈今月のコメント〉を付記している。
クーデター直前、直後のコメントを紹介させていただこう。
「一昨日、モスクワから帰ってまいりました。本当にソビエトの経済破綻はひどく、政治も大変です。日本からみれば信じられないことです。 例えば。宿舎となったオリンピックホテルには電話が一つしかなく、7日間の朝食、昼食、夕食がそれぞれ一つのメニューで毎日同じです。売店はありません。
つくづく日本の素晴らしさがわかります。私たちは慣れてしまって有難さを感じなくなっていますが、大切に守っていかなければならないことを痛感します。」
見てきたことからの発信である。
「一昨日、モスクワでの国際交流から帰ってきました。奇跡の国、日本に対する羨望は相当なものです。私たちは日ごろの有難さをまったく忘れていますが、 もっと感謝の気持ちを大切にし、現状を守り続けていかなければと感じます。」
日本を奇跡の国といったのは、モスクワ市のボリソフ儀典長。
私は大会の合間を縫ってポポフ・モスクワ市長を表敬したが、ポポフ市長は休暇中で迎えて下さったのが、ボリソフ氏。 T京都市長のメッセージと記念品をお預けして約1時間の懇談の機会を得た。日本に対する熱い視線は相当なもので、 別れ際に「私たちはあなた方の国を奇跡の国と思っている。あなた方は数日すれば、その奇跡の国へ戻れるのだから羨ましい」といっている。
そしてクーデター直後に記したコメントからー。
「ソビエトでの突然の出来事に驚いています。つい1週間前にモスクワに出かけていて、自由と取り組もうとする姿勢を見てきただけになおさらです。
流れは低きにつく。力で抑えこもうとしても止まるものではない、というのが私の実感です。
多くの仲間がいるソビエトに流血の少なからんことを祈ります。」
そして、クーデター失敗後のコメントからー。
「大混乱のソビエト情勢。いかに圧政をひこうとしても、ひとたび自由を知った人を抑えることができないとみていましたが、 こうもあっさりクーデターが終わるとは驚きです。さらなる混迷が続きますが、しかしペレストロイカに加速度がつきました。
20日、大混乱の最中にモスクワからFAXが入り、10月の東京国際連珠大会に7名が参加するのでビザの申請を頼む、といってきました。 平和の象徴、文化交流がこんな時にできるのかと心配しましたが、ソビエト国民はすぐにクーデターが失敗するとみていたのでしょうか。とてもおもしろい情報でした。」
これが当事務所からの発信である。いかに精度の高い受信能力をもっていても、それを発信に変える努力を怠ってはならない。 もとより、発信にはリスクがつくものであることを十分承知しておかないと、ややもすればすぐに投げ出すことになってしまいかねない。 受信より発信、企業から我々に求められているのはこれであろう。

経済と文化の合一

経済と文化の合一はあるか。いま問われている課題である。難しい課題ではある。
私のモスクワ訪問は、連珠による国際交流であり、何の収入もなく、出費がかさむばかりである。 因みに筆者は11年前から「連珠を世界に!」をキーワードに世界普及に乗り出し、スウェーデン、 デンマーク、オランダ、ソビエトに8回の普及旅行に出かけている。現在、連珠国際連盟(本部スウェーデン)副会長、 日本連珠社国際部長であるが、組織は軟弱であるためすべて自己負担。これではとても経済と文化の合一などえらそうに講釈することはできないように思う。
だが、私は経済と文化の合一はあるという認識に立っている。
モスクワ滞在中に努めたのは文化交流であって、一切の経済活動はしていない。にもかかわらず、 これらで得たことを情報として経済活動を支えていく。それはあたかも平面から立体へ、私に幅をもたせてくれる貴重なエネルギー源なのである。

経済再建はテニスと連珠で!

テニスと連珠で国家経済の再建!といっても誰も信じないに違いない。突拍子もない構想であり、組み合わせも妙である。熱心に口説かれた私でさえ半信半疑、いや理解に苦しんだものだ。
話はこうである。
大会期間中、私はソ連各都市(国)からすさまじい招待要請にあった。レニングラード(現サンクトペテルブルグ)、 リガ、ミンスク、キエフ、エレバン等々。彼らは一様に言う。「ミスターHAYAKAWAが来てくれればわが国でさらに爆発的に普及するだろう」と。 中でもリガからの要請は繰り返し行われた。
ラトビアの首都リガから、建設省のサムリ氏が視察に来ていた。氏はラトビアの経済再建プロジェクトのメンバーのひとりだそうで、 その構想はテニスと連珠で世界の主導権を握ることだという。そうなれば、テニスはビジネスになり、ラトビアの再建には欠かせないという。 連珠はビジネスにはならないが、マインドスポーツとして各国との心の交流には最適だという。 テニスと連珠の指導者を我が国に呼んで、いち早く世界をリードする立場になりたいと熱心に訴える。


いかがであろう。 企業の繁栄、組織の活性化とは、何かひとつ一体になるものを見つけた時、自然に生まれてくると考えている。その時こそ命令を待つことなく、自発的に動き出すのである。
行動科学にいわく、「人間は何かの価値を共有したときに自発的に動き出すものである」
と。

今月の言葉

男は情熱をもっていなければならない/情熱を持っていないのは可愛そうだ/情熱を持っていると他に燃え移っていく
〈升田幸三〉
以下次月