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「連珠を世界に!」ロマンの旅 21

いよいよ連珠国際連盟誕生への旅 1988.8

1992年12月 スウェーデン・ヨンチョピングに印した連珠国際普及の第一歩は、7年の歳月を得て大きく育ち、国際連盟の結成にまでこぎつけることになった。今回から4回に渡って、国際連盟結成となる国際会議を目的とした訪スを追っていきたい。
まずは出発までの取り組みを日を追って紹介するが、ボリュームが多いのでまずはタイトルを!

 * この項は、『スウェーデン・オランダ連珠交流の旅 報告誌』(1998.9 連珠京都国際交流団発行=B5版114頁)に詳しくまとめられている。
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 * 国際普及にあたっては、国際文化に貢献するという高邁な思想をはっきりと描き、かつ、マスコミ関係のみならず、一般方々の(国内外を問わず)に強くアッピールし続けることが必要である。この考えを本稿からご理解いただければ幸いである。

1 スウェーデン国際交流選手派遣選抜京都大会 1988.3.20-21
   * 「ロマンの旅13」で触れた100円基金の第2弾。京都新聞の報道によって紹介する。
2 国際交流の旅・結団式  1988.6.18-19
3 第7期連珠東西対抗戦より 1888.7.1-3
4 棋界消息 連珠国際交流団 スウェーデンへ! 京都新聞 1988.7.15
5 ステファン・ヤンソンさんを迎えて! 1988.7.16
6 “本家”の連珠で腕磨きたい 産経新聞 1988.7.17
7 産経新聞「産経抄」 1988.7.17
8 五目並べで世界は一つ 京都交流団 朝日新聞 1988.7.20
9 NHKテレビニュース 「連珠世界連盟結成へ」 1988.7.29
10 さあ! 出発!!

京都新聞1 スウェーデン国際交流選手派遣選抜京都大会
河村7段 西園4段を派遣
京の交流団 今夏、スウェーデンへ!

連珠の国際交流をすすめている連珠京都国際交流団(団長・早川嘉美八段)主催の「スウェーデン国際交流選手派遣選抜連珠大会」は、20、21の両日、京都市東山区今熊野椥ノ森町、京都連珠会本部で開かれた。

世界に連珠を!をスローガンに、同団の母体となる京都連珠会が具体的な活動に乗り出したのが7年前。早川八段がスウェーデンを訪問したのがきっかけとなった。その後、隔年ごとに同国を訪れ、交流を深めてきた。いまでは、スウェーデンで大規模な連珠大会が催されるなど、成果が実っている。同団では、さらにこの流れを広めようと、“一口100円基金”の基金箱を設け、同大会の準備を進めてきた。

大会には12人が参加。昨年、連珠名人戦の挑戦者にもなった河村典彦七段、長谷川一人七段らA級選手に、月輪中学校1年早川光志1級ら中学生も交じり、勝ち数、同星同士が対戦するスイス方式で争った。この結果、山科区四ノ宮神田町、京都大学大学院生河村七段(23)が優勝。河村七段は派遣選手に贈られる50万円の半額25万円を2位の山科区椥の辻池尻町、西園典生四段(31)に回したため、西園四段も今夏、スウェーデンを訪問する国際交流団に加わることになった。

河村七段、西園四段は前回の同大会でも派遣選手に選ばれている。二人は「みなさんのお金で行かせてもらうんです。国際交流に少しでも役に立つよう努力してきます」と口をそろえていた。

京都新聞 1988.3.22

2 国際交流の旅・結団式 1988.6.18?19

7年目を迎えたスウェーデン・オランダの国際交流は、13日間の日程で親睦・普及の旅に出掛けますが、その充実と成功を期するため、6月18?19日、東山ユースホステルで選手結団式を催しました。

この時点で、初めてソビエトからの参加(10名)があるとの情報が伝わっており、また、国際連盟結成のミーティングが組まれており、東京から日本連珠社三上繁太郎理事長も同席することが決まっていました。
位置づけをしっかり掴まえよう、が結団式の重要ポイントでした。

  * この結団式に「朝日新聞」の取材を受け、7月19日夕刊全国版に大きく報道された。回し日記もこの日から始まりました。

報告誌より

3 第7期連珠東西対抗戦より

連珠ファン待望の、東西花形棋士が集う第7期東西対抗戦は、7月1‐3日、愛知県知多半島の「知多美浜保養センター」において行なわれ、西軍が圧勝を収めて幕を閉じた。これで通算成績は4勝3敗となり、西軍が一歩リードしたことになる。
最優秀棋士には、驚異の8連勝を成し遂げた長谷川一人七段が初の栄冠に輝き、西村敏雄九段が5勝1敗2分けの好成績、昨年の最優秀棋士河村典彦七段は厳しいマークを受けて5勝3敗に終わった。
まったくいい所がなかった東軍の中で唯一人、気を吐いたのがスウェーデンのS・ヤンソン四段。研修のため千葉県の松戸市に滞在中であり、東軍の一員として特別出場したものであるが、堂々と西村九段を破り、西山八段と引き分けでの1勝1敗であった。
(以下略)

『連珠世界』より 1988.8号

4 棋界消息
   連珠京都国際交流団 スウェーデンへ

京都新聞連珠の国際普及を目的に、8月1日から13日までスウェーデン、オランダを訪れる「連珠京都国際交流団」のメンバーが決まった。同団は6年前から隔年ごとにスウェーデンを訪問しており4回目。今回は“連珠を世界に”をスローガンに、その普及に尽くしてきた京都の早川嘉美八段を団長に、連珠愛好家15人が加わる。

主な内容は、スウェーデンのストックホルムで開かれるストックホルム・サマートロフィー連珠大会の出場。今年は初めてソ連の選手10人が参加、大規模な大会となる。ソ連は日本と並ぶほどレベルは高い。そのソ連につぐのがスウェーデン。世界の3強がそろうわけだ。

しかも、この大会を機に、連珠世界連盟が設立される。日本、ソ連、スウェーデンの3カ国だけのスタートとなるが、オランダ、フランスなどでも連珠ファンが増えており、各国に呼びかけていくという。

同大会に出る日本の選手は早川八段をはじめ河村典彦七段、西園典生五段ら京都連珠会が誇る日本のトップ棋士。早川八段は「ソ連の選手と対局するのは初めて。通信戦の棋譜を見る限り、日本に負けないほどの力がある。その実力を知るまたとない機会なので楽しみです。連珠世界連盟が発足すればワールドチャンピオン戦が実施されるので、日本の選手が優勝するよう頑張ります」と話している。

京都新聞 1988.7.15

5 ステファン・ヤンソンさんを迎えて 1988.7.16

千葉県松戸市に企業留学中のスウェーデン連珠界のスター、ステファン・ヤンソン四段(25)が、京都にやって来ました。これに合わせて、交流団も強化練習をかねて2回目のミーティングです。

 1  2  3  4  順位 
1 河村 典彦 
 2●
 4○
 7○
 3○
 3
2 S Jansson 
 1○
 3●
 8○
 5●
 4
3 西園 典彦 
 4○
 2○
 5○
 1●
 1
4 永平 松寿 
 3●
 1●
 6●
 8●
 8
5 早川 嘉美 
 6○
 7○
 3●
 2○
 2
6 長谷川一人 
 5●
 8●
 4○
 7●
 7
7 林  昭一 
 8○
 5●
 1●
 6○
 5
8 小磯 重正 
 7●
 6○
 4●
 4○
 6

競技会と併行しながら、別室ではスウェーデンのビデオ鑑賞やミーティングが行われました。

Stefan Jansson
I am deeply grateful for the hospitality you have shown me and for the frindship I feel with you.
I have really enjoyed playing Renju in Japan for the first time. As I cannot be in Stockholm myself to play in the Stokholm Summer Trophy. I hope all have a very enjoyable stay in Sweden and I do hope you all will do well in the tounamento,as it is also the first time that players from Japan, Sweden and the USSR meet to play together.
Furthermore, I hope for the creation of a world federation for Renju. That will make it easier to prmote the game of Renju in the future. And I also do hope that a similar faderation will be founded to promote the other five-in-a-row game.
However,most of all I wish it will be possible to continue to meet players from other countries and make friends across borders.

報告誌より

6 “本家”の連珠で腕磨きたい
   産経新聞「人 きょう ひと」から

産経新聞時計製造会社へ留学中のスウェーデンの王立工業大学大学院生のステファン・ヤンソンさん(25)が夏期休暇を利用して京都を訪れた。といっても単なる観光ではなく、連珠の腕を磨くのが目的だという。

五目並べに似ているが、より複雑なルールで奥深いゲームになっている連珠。スウェーデンでも約500人のファンがいるといわれる。ヤンソンさんは、ことし5月のスウェーデン大会で優勝するなど、スウェーデンのトップクラスの腕前。日本でも公式戦に特別出場し、日本の元名人を破るなど、鋭いサエをみせており、日本連珠社(本部・東京)から四段の折り紙をつけられている。

「日本にいる間に、いろんな人と対戦して技術を高めたい。特に序盤の形を勉強したいですね」とヤンソンさん。連珠は日本が“本家”であるだけに、専門書や資料が豊富。ヤンソンさんは、これらも読破しているといい、日本の精密機械技術だけでなく、連珠研究でも有意義な留学となりそうだ。

産経新聞 1988.7.17

  * ヤンソンさんが留学の地に日本を選んだのは、もちろん偶然ではなく、連珠の発祥の地・日本にあこがれての選択です。

                              7 産経新聞「産経抄」 1998.7.17

産経新聞「連珠」を知っていますか。五目並べくらいだれでも知っているよといわれそうだが、連珠はあなたが子供のころ遊んだ五目並べとは少しルールが違う。それは後回しにして、この夏「連珠世界連盟」が誕生する。 ▼五目並べに似たゲームは世界各国にあるが、日本の連珠と同じルールを採用して盛んなのは北欧とソ連。スウェーデンには国内大会が七つもあり、日本に企業留学中の同国元チャンピオンが今月、全日本東西対抗戦に補欠として特別出場、日本の元名人二人と戦って1勝1引き分けだった ▼ソ連は20都市参加の都市対抗戦が行なわれており、独自に段位を認定しているほどで、スウェーデンより強い。オランダ、デンマーク、フランスなどでも普及し始めていて、「RENJU」は「GO(碁)」同様、国際語になっているとか ▼世界連盟結成に尽力したのは京都の早川嘉美八段(44)。本業は税理士だが、数年前から毎年北欧を訪れ普及と親善に尽くしている。今年も8月はじめ、A級選手ら15人の国際交流団をひきいて出掛けるが、来年にも世界選手権を開きたいという ▼碁・将棋に比べると「小さな趣味文化」(早川氏)と謙遜するように、トップ選手も公務員、学生、会社員などさまざまな職業の持ち主だが、以前見学した公式戦対局は趣味どころではない緊迫感があった。布石や駒組みで始まる碁・将棋と違い、連珠は序盤から格闘技風だった ▼黒(先手)にだけ三三、四四、六以上の禁手があるのがポイントで、後手の白はそのワナにかけようと仕掛け、黒はそれを交わして四三勝ちを目指す。小学校の「ゆとりの時間」で採用するところが増えているそうだ。雨の休日、やってみますか。

産経新聞 1988.7.17

8 五目ならべで世界は一つ
   京都交流団 連盟結成へ    

明治時代に日本でルールが確立したといわれる「連珠(れんじゅ)」を通じて国際交流を図っている連珠京都国際交流団はスウェーデン、ソ連とともに連珠世界連盟を結成するため8月1日、代表団15人をストックホルムへ派遣する。一行には小、中学生や主婦、お年寄りらも参加、市民レベルの国際親善使節としても役割を果たしたいと意気込んでいる。

交流団は、全国約30都府県に約1000人の会員を持つ日本連珠社に属し、7年前からスウェーデンと、2年前からソ連と競技大会を開いて交流を深めている。8月4日から4日間、ストックホルムで初めて3国の代表選手約30人が参加して、競技大会を開催、8日に各国代表が連珠世界連盟発足に向けて話し合う。日本からは日本連珠社の三上繁太郎理事長も参加する。順調に行けば、この席で世界連盟が誕生する見込み。

連盟規約は(1)日本連珠社のルールでゲームする(2)Renju(連珠)の名称を使う(3)定期的に持ち回りでワールドチャンピオン戦を実施するーなどが盛り込まれそう。

国内の連珠愛好家は約100万人。海外ではソ連が最も盛んで、20都市参加の都市対抗戦が行なわれるなど市民の中に根を張っている。スウェーデンにも国内大会が7つある。このほかオランダ、フランス、台湾などでも普及している。

連珠京都国際交流団長の早川嘉美さんは「ペレストロイカの影響で、ソ連の一行がスウェーデンに出やすくなったので、世界連盟の計画が具体化することになった。2国のほかにオランダも近い将来、加盟する見通し。心の通った文化交流としてさらに育てていきたい」と話している。

朝日新聞
朝日新聞 1988.7.20

9 NHKテレビニュース 「連珠世界連盟結成へ」

出発寸前(3日前)、NHKから取材の申し入れがあり、7月29日午後、主要メンバーが勢ぞろいして取材を受けました。このもようは、同日18時からのNHKニュースとして、2分40秒に渡って近畿ネットで放映されました。

NHKテレビニュース 1988.7.29

10 さあ出発! 1988.8.1

さあ、いよいよ出発です。京都連珠会本部に9人。京都駅で11人、そして大阪空港で15人全員が揃いました。そして、何と何と、ステファン・ヤンソンが見返りに来てくれました。千葉から?。
本格的な連珠国際化の夢をのせて、さあ出発です。

次回は、オランダ訪問記とスウェーデン・ソ連3カ国対抗の様相をみせたストックホルムサマートロフィーをお届けする。