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「連珠を世界に!」ロマンの旅 25

2年にわたって続けている「連珠を世界に! ロマンの旅」はいよいよ世界選手権の開催にまでこぎつけようとしている。
まだ一部の人に限られていた認知度は、「第1回連珠世界選手権京都大会」への出場権をかけた日本代表選考会の開催によって、名実ともに全国区になってきた。
なんといっても、磯部泰山、西村敏雄両元名人の巨頭がエントリーされたのが大きい。
西村九段は選考会を前にして「連珠の世界戦が行われるとは夢のような出来事です。ここまで育てていただいてありがとうございます。(私の力が)峠を越してしまっているのはいささか残念ですが、連珠人生をかけて、世界戦はなんとしても出てみたい」とおっしゃっていたのが、今なお鮮明に心に残っている。

今回は、その「世界選手権日本代表選考会」を紹介しよう。

第1回連珠/五目世界選手権戦
日本代表選考会によせて

第1回連珠/五目世界選手権戦
名誉会長 田中 龍夫
(社団法人日本連珠社総裁)

まずもって、本年8月2?6日に催される「第1回連珠/五目世界選手権戦」に対し、衷心よりお祝い申し上げます。ここまで育てあげられた役員皆様に対し、敬意を表するものであります。

さて、連珠はわが国で生まれた歴史ある健全室内ゲームでありますが、連珠の対局を見て感じることは、まさに格闘技と称するにふさわし気迫あるれる真剣勝負であるということであります。このようにしてわが国で育ってきた連珠技が、世界の国々に認知され、国際的な発展を遂げてきた事は、わが国にとって大変有益なことであります。
こうした中、第1回世界選手権が催されるのは、まことに快挙というべきであり、選手権戦の成功を願ってやまない次第であります。聞き及びますと、ソビエト選手の実力が相当なものであるということでありますが、第1回選手権は、発祥の地・日本としては、存分の力を発揮して棋道の深遠なることを示していただきたいものであると考えます。

日本代表選手として、第一人者の中村茂名人をシードしたのは結構なことであり、残る席をめぐって、ベテラン、中堅、新人が入り乱れて争うのは、大変重要なことであります。日頃の研究の成果を存分に発揮され、日本代表選考会に相応しい、名好譜が生まれることを期待いたします。
幸いにして日本代表に選ばれた選手は、心身さらに研磨し、8月の世界選手権戦に万全を期して望まれるよう期待するものであります。
末尾になりましたが、選考会の成功を祈念いたします。

(1989.5.3)

日本代表選考会に期待する

第1回連珠/五目世界選手権戦実行委員会
大会委員長 早川 嘉美

「連珠を世界に!」「連珠を通して世界の方々と握手をしよう!」を掲げて7年。いままさにその果実が得られようとしているとき、ここ京都に皆さんをお迎えして、日本代表選手を選ぶ世紀の一戦が繰り広げられようとしています。多忙、遠路等々いくつかの障害を乗り越えてエントリーして下さった選手の皆さんに感謝と敬意を表したいと存じます。

さて、連珠はRENJUとして、スウェーデン、ソビエトのみならず、20数ヶ国の国々で親しまれているのは「RENJU WORLD」の読者の広がりを見ても明らかです。その実力も相当なものがあり、昨年10月、視察に出掛けたソビエト勢の地力には、目を見張らされました。私は数年前から日本の仲間たちに早く目覚めてほしい、と警鐘を鳴らしていましたが、まだまだ皆さんに正確に伝わっていないような気がします。そういった意味で、世界選手権を前にした今大会がひとつの節目になれば嬉しいことです。
幸いなことに、西村敏雄、磯辺泰山両名人らのベテラン陣がエントリーして下さったのは何より有難く、長谷川一人八段、河村典彦七段、西園典生六段、早川強四段の国際遠征グループらと大激戦を展開するようなことになれば、大いに結構なことであります。

ともあれ、皆さんのご健闘をお祈り致します。

歓迎の言葉

京都連珠会会長
達富 弘之

日本の連珠界を代表する強豪、精鋭多数のご参加を得まして、「第1回連珠/五目世界選手権日本代表選考会」が、連珠発祥の地京都で開催されますことは誠に喜ばしく、心からご歓迎を申し上げます。

連珠が海を渡って10年、連珠を日本の文化の一つとして学び、これに親しむ多くの仲間ができました。今では海外の連珠愛好者の数は10ヵ国以上20万人を遥かに超え、連珠を知っている仲間はその数十倍に上ると予想しております。昨年の8月には、RIF連珠国際連盟が誕生しました。連盟最初のビッグイべントとして、記念すべき「第1回連珠/五目世界選手権戦」も連珠発祥の当地が会場に選ばれました。日本に追いつけ追い越せと世界からやってくる選手達には伝統の磨きぬかれた技でもって歓迎しなければなりません。この予選会を通過できる選手は連珠、五目各2名です。いずれも代表に相応しい選手、激戦と名局が数多く生まれるものと期待しております。

京都連珠会も地元での大会とあって、選手を送り込むと共に会の運営にも全面的に協力させていただくつもりであります。
参加される選手の皆様方のご健闘を心からお祈りすると共に、日本連珠社並びにRIF連珠国際連盟のますますのご発展を念願して歓迎のご挨拶といたします。

(以上、いずれも『第1回連珠/五目世界選手権戦 日本代表選考会』プログラムより)

第1回連珠・五目世界選手権戦の日本代表が決定
   =京都連珠会発行『珠友』から

  〔連珠〕 中村 茂 名人(東京)=シード
       長谷川一人九段(京都)
       奈良 秀樹七段(神奈川)
       西村 敏雄九段(熊本)=補欠
  〔五目〕 大井 耕三五段(京都)
       阪本 弘氏六段(大阪)
       西園 典生六段(京都)

8月に京都で催される第1回連珠/五目世界選手権への日本代表選考会が5月3?6日に、京都市北区の朝倉コンサートホール特別ホールで開かれた。
その結果、上記の代表が決定した。連珠では中村茂名人は既にシードとして代表権を手中にしていたので、今大会の上位2名が残りの代表となった。

代表の顔ぶれを見てみると、やはり文句のないメンバーが揃っている。中村名人は文句なく現在の日本の第一人者。彼の代表に口をはさむ人は一人としていないだろう。
長谷川一人八段は昨年の名人戦の挑戦者。京都では既にNo1の呼び声高い実力者である。中村名人を除いて、東西それぞれでNo1棋士を選ぶとしたら、西は長谷川八段、東はもう一人の代表選手の奈良秀樹七段が選ばれるだろう。(多少の異論があるかも知れないが…。)とにかく、現在の日本連珠界のトップ3が集まったといっても過言ではない。そしてなお、補欠には阿蘇の不死鳥と呼ばれる西村敏雄九段がひかえている。補欠といっても、選手権戦開催国の場合は、参加選手が奇数になった場合は補欠に出場権を与えるので、50%の確立で出場できる。

このメンバーでは負けようがない、という意見もあるが、外国の力も決して弱くはない。特にソ連・スウェーデンの代表は、日本のA級リーグクラスの実力は既に持っている。その様に考え油断せずに対局して欲しい。思わぬところで足をすくわれないように。

五目の部は初めての試みとなったが、やはり連珠の実力者が代表権を得た。第1代表は、今ノリにノッている大井耕三五段。次は連珠以外の各種ゲームにもその広い才能を表している阪本弘氏六段。2人の連珠で養ったヨミの力で代表権を手中にした。あとは序盤の研究だ。補欠は西園典生六段となった。

(以下、大会経過記事は省略)

(1989.7.1発行『珠友』より)

第1回連珠世界選手権戦日本代表選考会 成績表

第1回連珠世界選手権戦日本代表選考会 成績表

同 五目の部 成績表

五目の部 成績表

第1回連珠世界選手権戦日本代表選考会 闘い終えて

五目の部 成績表
前列左から3人目 奈良七段・長谷川八段・西村九段・早川加・早川嘉

同 出場者・関係者の寄せ書き

出場者・関係者の寄せ書き

〔おわび〕
選考会のもようは京都新聞等に報道されましたが、掲載紙をどこにしまってしまったか見当たらず、残念ながら紹介することができません。また、連珠国際連盟RIF発行の『RENJU WORLD』創刊号も大切にしていたのですが、これまたどうしても見当たらず、紹介できません。残念です。あわび致します。